宇宙切手のこと

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こんにちは、TOKOです。
SAYAさん@きらら舎では、現在博物ふぇす出展に向けて準備に大忙しです。私のほうは諸事情によりディーラーサイドでの参加が難しいため、今回はSAYAさんにお任せし、日曜日の午後に家族で会場へ向かう予定にしています。
さて、今回は博物ふぇすとは関係ないTOKOの自慢話です。
自慢話…どうやって切り出したらいいのだろうか。まず、この話は、TOKOのグッズ制作拠点が「ルーチカ」に移行する前、「ささきさ」の前身である「我楽多倶楽部」で活動していたときに実現したものです。
表題にあるとおり、宇宙切手のこと。
私はものを蒐集しくなり、切手蒐集の趣味もありません。でも「切手は小さな美術品」というのはほんとうで、目打ちのギザギザに囲まれた四角の中の多用なデザインに魅入られます。特に旧共産圏の多色刷りデザインが、宇宙切手が好きです。

同時に、日本の宇宙機のファンでもあります。打ち上げ当時の最新技術を駆使した、ミッションを遂行するために考え抜かれた機能美。それから効率よく目的の地点まで到達する軌道の美しさ。海外の宇宙機に引けを取らぬ面々が、日本にたくさんいます。
けれども見回してみると、日本の宇宙機の切手が意外と少ないのです。しかも最近ではCGを中心とたグラデーションを駆使したデザインが多く、のっぺりとした多色刷りはほとんど見かけません。それじゃあ、自分で作ってしまおう、と日本の科学衛星の二色刷シリーズに手をつけたのがことの発端でした。そう、日本の宇宙切手が作りたかったのです。
個人で宇宙切手を作るのは容易ではありません。幸い郵便局では「フレーム切手」というサービスがありますが、1シートに10種類の切手を収めてシートの余白にもオリジナルデザインを…となると1000シート以上制作しなくてはならないため、ほぼ不可能に近いです。そこで、個人で作れる切手をちまちまと制作しつつ、切手ではなくゴム印とか手ぬぐいとか、多色刷りでも可能なグッズを作り続けていました。
そんなところ、宇宙ファンのコミュニティで知り合った友達から「宇宙切手の企画があるのだけど、図案提供できない?」とのお誘いがありました。企画に携わったJAXAの阪本先生が私の図案を目に留めてくださり、その話を聞きつけた知人が私に連絡してくれたのです。これはほんとうに、願ってもないお話でした。こうして宇宙切手の夢は「銀河連邦25周年記念フレーム切手」として、郵便局から地域限定販売されることになったのです。

そしてさらに今、嬉しいことが起こっています。
この切手が東京都現代美術館の[宇宙×芸術]で展示されていることと、JAXAの広報誌「JAXA's No.056」に掲載されたことです。自分が手がけた図案が美術館に、JAXAの広報誌に…こんなことってあるのでしょうか。信じられません。
また個人的には、JAXAの広報誌で阪本先生がご自分の作品のように語ってくださっていることがなんとも嬉しいです。確かに図案は私が書き起しましたが、阪本先生と図案のやりとりを幾度も行いまして、シートの随所に先生のこだわりがちりばめられています。また、阪本先生との私のやりとりを取り持ってくださったH先生も、多忙きわまる中で細かいところまで目を通し、この切手の発行をご自分のことのように喜んでくださいました。
いちJAXAファンだった自分が、こんなふうに先生方と憧れの宇宙切手を作り上げることができた…というのは、多分一生でこれきりだろうなと思います。
切手を夢見て宇宙機の図案を作って、よかった。本当によかったです。
今は諸々の事情で宇宙機の図案からは遠ざかっています。でもいつか『ルーチカ図鑑』で宇宙をテーマにして、宇宙グッズもたくさん出したいです。今度は二色刷ではなく、もっと違う図案を。もっと違うアプローチで。
…あ、いろいろと妄想が湧き上がってきた…。
またひとつ、夢ができました。

写真は、東京都現代美術館で友達が撮影してくれた写真(自分はこれから行く…)。居並ぶ国内外の宇宙切手に囲まれて、感無量です。展示されていることを教えてくれたHさんDさん、どうもありがとう!

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