Story

ステルクララの駅に降り立つと、まず白く舗装された駅前広場が目に入ります。 列車の到着時刻に合わせて、誰かを迎えに来た人や土産用の花や果物を売る商人で広場は賑わいを見せます。
この駅前広場を抜けてステルクララのメイン広場まで。本日はご案内することにしましょう。
ステルクララは半島になった丘にできた町です。平坦な道は海岸線以外にはほとんどなく、たくさんの坂と階段を歩きますので、足元には十分にお気をつけくださいませ。

早速緩やかな階段を上がって、右手にあるのが『ルーチカ郵便舎』です。ルーチカは元々、ステルクララの出版社でした。編集長、つまり社長のほかに社員はなく、ギムナジオの生徒を使いながらその人脈で会社を切り盛りしています。郵便舎がなかったころはステルクララへ届く郵便物や小荷物は、すべて駅舎で下ろされたまま一時預かり所に放置されていました。ですから、人々はほぼ毎日、自分への手紙が届いていないか、駅まで見に行かなくてはならなかったそうです。やがて、ステルクララに電信を飛ばせる施設ができ、わざわざ駅まで来なくてもよくなったのですが、 電信で問い合わせて、手紙が届いていた時にははやり受け取りに行かなければなりませんでしたし、他の町へ手紙や荷物を送る場合には郵便列車の時刻に合わせて、駅まで発送に出向かなくてはなりませんでした。

そんな手間を一手に引き受けてくれたのが、ルーチカの編集長が作ったルーチカ郵便舎です。この郵便舎ができてからは、人々は好きな時刻に手紙を出し、荷物や手紙は家まで配達してもらえるようになりました。ご推察どおり、配達をしたり、人々の手紙や荷物を郵便列車へ積み込むのはギムナジオの生徒たちですが。
さて、そういうわけで、郵便舎の並びにルーチカがあります。出版の他にも惑星巡回写真展やらスタンプのイベントやら、いろいろなことを企画主催しているようです。

ルーチカからさらに急な階段を上りきったところがメイン広場です。オルガン屋はまだ地方公演中なのでしょうか。まあ、ステルクララに海風が吹く頃になると戻ってきます。真っ赤なオルガンで、思わず踊りだしたくなるような楽しい曲を演奏してくれますよ。
広場に面して、教会と音楽堂があります。音楽堂では時々、小さな音楽会が開催されます。
教会の反対側がギムナジオです。誰でも入学することができる学校で、遠くの町から通ってくる生徒も多いのですが、宿舎も併設されているので、自宅が遠い子はみな宿舎で生活しています。逆に家はステルクララにあるのに宿舎で生活している生徒も少なくはないようです。
さて、今日はこのくらいにしておきましょう。次回はこの広場から野外劇場まで、市場を抜けて歩いてみることにします。