標本のこと

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ルーチカの片割れSAYAが、さとうかよこ名義で本を出します。

『標本BOOK』(さとうかよこ/日東書院)
1,620円(税込)
手軽に楽しむ標本から本格標本箱の作り方までご紹介。

【掲載内容予定】
●植物編・木の実、種、押し花、葉脈、ハーバリウム、苔
●動物編・クワガタ、羽、化石、貝殻、サンゴ
●鉱物編・産地別の標本と、元素記号に即した鉱物標本
●人工物・瓶で作る標本、切手の標本、ボタンの標本
●標本箱の作り方・木で作る、紙で作る、その他で作る
●エイジング加工のコツ・木、綿、紙
●レイアウトテクニックとアイデア
……etc.

【著者プロフィール / きらら舎 佐藤佳代子(さとう かよこ)】
鉱物や標本などのショップを経営し、標本や鉱物に造詣が深い。
著者に『鉱物レシピ 結晶づくりと遊びかた』(グラフィック社)、『世界一楽しい 遊べる鉱物図鑑』(東京書店)などがある。
発売日 2017/05/31
著者 さとう かよこ
ISBN 4528021544

ルーチカとして『ルーチカ図鑑』の挿画を提供させていただいた縁で、もう一方の片割れTOKOの手元にも献本が届きました。

美しい標本の写真や作り方のノウハウを目的に手に取る方も多いかと思います。ポイントがおさえられていてとても分かりやすく、自分だけの標本づくりの教科書としての一冊になりそうです。

個人的に特に興味をひかれたのは、学術的な標本についても随所で言及されていることや、歴史についての丁寧な説明が加えられていることです。
ちょうど1か月前に、つくばにある国立科学博物館の一般公開がありました。ここには上野の国立科学博物館の研究所と、博物館には展示されていない標本の収蔵庫、植物園などがあります。自然史標本棟の見学ツアーでは、収蔵された膨大な標本の一部を見ることができました。説明してくれた研究員等はみな、より多くの標本を最適な保存状態で後世に残すという使命を持ち、また標本に対する愛にあふれていました。たとえ集めること自体に華々しい研究成果というものはなくとも、未来のサイエンスになくてはならない、地道だけれどほんとうに大切な仕事。尊いことだと感じました。
また近頃、博物学やヴンダーカンマーが一部でもてはやされています。関連したお店やイベントもとても増えました。同好の士が増えるのはとても喜ばしいことですが、一方で歴史や由来が軽んじられ、形ばかりが流行になるのはすこし寂しくもあります(もちろん歴史や由来を大事にしつつ楽しまれている方もたくさんおられます)。
本書ではこの2点が、ページのあちらこちら、あるいは巻末で紹介されています。難しい言葉は全く使っていませんので読み物としても楽しめます。是非こちらにも着目してもらいたいなあと思い、この本の本筋とはすこし外れますが紹介させていただきました。

この本を手に取ると、標本に対する所有欲や創作意欲とともに、愛と尊敬の念が芽生えることでしょう。

(文責 TOKO)

本書はこちらで手に入ります。
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