百年前にX線結晶構造解析の歴史が始まるより以前、結晶学は鉱物の外観から対称性を見出し、分類同定する学問であった。今日では元素組成と粉末X線パターンによる鉱物の同定が一般的となり、古い結晶学は「結晶形態学」として結晶学の導入部に登場するのみとなっている。しかしながら、結晶の点群と格子定数、ミラー指数から定義付けられる多面体「結晶形態図」の意匠の美しさは現在でもなお人々の心を魅了し続けている。
ルーチカではこれまでも結晶形態学のうち特に数学的、幾何学的興味に焦点をあてた文具雑貨を制作してきた。そしてこのたび改めて、結晶形態図の意匠の美しさを追求し、日常生活を彩る様々な素材との融合を試みる「結晶形態学」プロジェクトを始動する。
波佐見焼(白磁・青磁)
400年の歴史を持つ長崎県東彼杵郡波佐見町付近で産する陶磁器。
素焼きに釉薬をかけて更に1300℃で焼成した白磁と青磁。
無機質な美しさが結晶形態図の多面体と相性が良く、絶妙なたたずまいを見せる。
波佐見焼(素焼)
400年の歴史を持つ長崎県東彼杵郡波佐見町付近で産する陶磁器。
900℃で焼き上げた多孔質の素焼きは、チョークほどの柔らかさ。表面を研磨して自分だけの結晶形態標本を作ることができる。
また、茶味がかった白で保水性に富み、アロマストーン等の用途がある。